研究情報
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2024.06.28 塩の保存効果
塩化ナトリウムと塩化カリウムが31種類の乳酸菌とその共培養に及ぼす影響のハイスループット特性評価
High-throughput characterization of the effect of sodium chloride and potassium chloride on 31 lactic acid bacteria and their co-cultures
塩分(NaCl)は高血圧や冠状動脈性心疾患の発症のリスクと関連しているため、その摂取を制限する必要がある。しかし、塩は望ましくない微生物を制御することにより、食品の品質と安全性に重要な役割を果たす。

研究は主に乳酸菌(LAB)群の全体的な数に対する塩の影響に焦点を当てているため、塩ストレスが菌株に個別にどのように影響するか、および菌株間の相互作用はまだ理解されていまなかった。この研究では、塩化ナトリウム(NaCl)と塩化カリウム(KCl)が31のLAB株の増殖と酸性化に及ぼす影響を特徴付けた。さらに、合計93のランダムなペアワイズ株の組み合わせに対する塩の効果を評価した。菌株および共培養物を、自動アプローチおよび画像解析を用いて、固体培地上で3% NaCl、5% NaCl、および3% KClで試験した。

その結果、LABの増殖は5%NaClで最大68%まで有意に減少することが示された(p < 0.0001)。共培養では、5%NaClで最大57%の減少が観察された(p < 0.0001)。しかし、酸性化は、単一培養でも共培養でも、塩ストレスの影響が少なかった。さらに、KClはNaClと比較して、成長と酸性化の両方への影響が小さかった。実際、Lactococcus lactis subsp. lactis 74310(23%、p = 0.01)など、一部の菌株は3%KClで有意な増殖増加を示した。さらに重要なことに、共培養は単培養よりも回復力があり、塩分ストレスに対する反応が多様であるように思われ、酸性化と成長に対する塩の有意な影響が抑制されたいくつかの症例が検出された。

我々の結果は、塩が微生物の相互作用を調節できる一方で、これらの後者はLABに対する塩の効果を弱められることを示している。
© 2024 Ndiaye, Fliss and Filteau. Creative Commons Attribution License (https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).
Ndiaye Amadou, et al.
Frontiers in Microbiology (Web), 2024; 15: 1328416
DOI:10.3389/fmicb.2024.1328416

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