研究情報
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2024.06.28 加工方法と塩味
高温処理は調理された塩漬け豚ロース肉ではなく、生の塩漬け豚ロース肉で塩味の知覚と感覚的な受容性を向上させるー塩味とうま味に影響を与える
High-pressure processing enhances saltiness perception and sensory acceptability of raw but not of cooked cured pork loins-leveraging salty and umami taste
High-pressure processing enhances saltiness perception and sensory acceptability of raw but not of cooked cured pork loins-leveraging salty and umami taste
ただし、肉製品の塩分を減らすと、通常、味の強度が低くなり、消費者の受け入れが低下する。業界の介入は、味、品質、消費者の受容性を維持しながら、塩分を減らす必要がある。こうした状況で塩味の知覚を高めるために高圧処理(HPP)が提案されているが、現在までに相反する報告も出されている。
本研究は、HPP(300/600 Mpa)と調理(71°C)が肉製品の塩味知覚と官能受容性に及ぼす影響を確認するための絞り込んだ実験を行うことを目的としている。
HPP処理(300/600 MPa)は、生(未調理)の塩漬け豚ロース肉でこれら2つの官能特性(9ポイントの快楽スケールで約+1)を強化したが、調理済みの豚ロース肉では増加しなかった。さらに、肉マトリックスへのNa+結合強度の推定値としてのナトリウム分配係数(PNa+)とうま味ヌクレオチド含有量が潜在的な原因として調べられた。平衡時の PNa+ に対して、調理 (71°C) および HPP (300/600 MPa) の影響は観察されなかった。しかし、300 MPaでHPP処理を行うと、生の塩漬け豚ロース肉のイノシン-5'-一リン酸(IMP)含有量が増加した。
最後に、消費者の受容性を維持しながら効果的な減塩を達成するための戦略として生肉製品の知覚を高めることに焦点をあて、味覚を伝える分子メカニズムへの仮説とするHPP効果を概説するともに議論する。
© 2024 Bolumar, Lohmayer, Peukert, Thiemann, Münch and Brüggemann. Creative Commons Attribution License(https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).
Bolumar Tomas, et al.
Frontiers in Nutrition (Web), 2024; 11: 1352550
DOI:10.3389/fnut.2024.1352550
Frontiers in Nutrition (Web), 2024; 11: 1352550
DOI:10.3389/fnut.2024.1352550