研究情報
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2024.10.31 高塩分摂取とHIV感染、グリコカリックス(細胞表面を覆う糖蛋白質)への影響
食塩感受性高血圧での高塩分摂取とHIV感染による内皮グリコカリックス脱落
High salt intake and HIV infection on endothelial glycocalyx shedding in salt-sensitive hypertension
内皮グリコカリックスは、さまざまな生理学的および病態生理学的事象と密接に関連している。内皮グリコカリックスの有意な変化は、心血管疾患の病因における初期のプロセスである。高塩分食とHIV感染は、内皮グリコカリックスを損傷し、内皮機能障害を引き起こし、塩分感受性高血圧症や心血管疾患のリスクを高める。HIV感染と食事性塩分の2つの因子は、高血圧と心血管疾患の重要な独立した予測因子であり、しばしば相乗効果を発揮して疾患の病因を悪化させ、加速させる。塩分感受性高血圧症は、HIV感染者に多く見られ、心血管疾患、脳卒中、心臓発作、さらには死亡のリスクと関連している。しかしながら、内皮グリコカリクスの損傷と食事性塩分およびHIV感染を結びつける根本的なメカニズムは不足している。それでも、HIV感染/治療と食事性塩分は、内皮グリコカリクスの損傷と塩分感受性高血圧症の発症と密接に関連している。さらに、世界の大多数の人々は推奨されているよりも多くの塩分を消費しており、特にサハラ以南のアフリカではHIVの負荷が不釣り合いに高くなっている。このレビューでは、塩分感受性高血圧症の病因での高塩分と内皮グリコカリックス脱落との間のミッシングリンクについて議論した。さらに、高血圧と心血管疾患の発症に寄与する内皮グリコカリックスの完全性の変化においてHIV感染と治療が演じる役割を詳しく述べる。
Copyright © 2024 Masenga, Liweleya and Kirabo. Creative Commons CC-BY license
(https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).
Masenga Sepiso K. , et al.
Frontiers in Cell and Developmental Biology (Web), 2024; 12: 1395885
DOI:10.3389/fcell.2024.1395885

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