研究情報
Research information
研究情報
2024.10.31 カリウムを多く摂ると・・・
血圧低下に対するナトリウム減少とカリウム増加の寄与が食塩代替物と脳卒中研究で観察された
The contribution of sodium reduction and potassium increase to the blood pressure lowering observed in the Salt Substitute and Stroke Study
The contribution of sodium reduction and potassium increase to the blood pressure lowering observed in the Salt Substitute and Stroke Study
食塩代替物および脳卒中研究(SSaSS)は、カリウムが豊富な塩の使用により、収縮期血圧(SBP)、脳卒中、主要な心血管イベント、および総死亡のリスクの大幅な低下を示した。これらの影響に対するナトリウムの減少とカリウムの増加の寄与は不明である。ナトリウムの減少、カリウムの補給とSBPの変化との関連を記述する4つの異なるデータソースを同定した。次に、24時間採尿から得られたSSaSSにおけるナトリウムとカリウムの摂取量の違いから予想されるSBP低下を推定するために、一連のモデルを当てはめた。ナトリウム削減とカリウム補給に別々に起因するSBP減少の割合を計算した。観察されたSSaSSのSBP減少は-3.3 mmHgであり、24時間のナトリウム排泄で相当する平均15.2 mmolの減少、24時間のカリウム排泄で平均20.6 mmolの増加が見られた。食事中のナトリウム摂取量の90%と食事性カリウム摂取量の70%が尿中に排泄されたと仮定すると、モデルはSBPの低下を-1.67(95%信頼区間:-4.06〜+0.73)mmHgから-5.33(95%信頼区間:-8.58〜-2.08)mmHgの間と予測した。SBPの低下に対するナトリウム削減の推定寄与率は、適合したさまざまなモデルで12〜39%の範囲であった。食事でのナトリウムとカリウム摂取の相対尿排出割合が異なると仮定した感度分析では、同様の結果が示された。すべてのモデルで、SSaSSのSBP低下効果の大部分は、食事性ナトリウムの低下よりは食事性カリウムの増加に起因すると推定された。
Copyright © 2024, The Author(s) Creative Commons CC-BY license
(https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).
Huang Liping , et al.
Journal of Human Hypertension, 2024; 38(4): 298-306
DOI:10.1038/s41371-024-00896-4
Journal of Human Hypertension, 2024; 38(4): 298-306
DOI:10.1038/s41371-024-00896-4