研究情報
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2024.10.31 塩に強いトマト品種の見極め
塩分ストレス下におけるトマト種子の発芽に及ぼすアミノ酸、有機酸、植物ホルモンの影響の解明
Revealing the effects of amino acid, organic acid, and phytohormones on the germination of tomato seeds under salinity stress
Revealing the effects of amino acid, organic acid, and phytohormones on the germination of tomato seeds under salinity stress
塩分の蓄積は、トマト(Solanum lycopersicum L.)などの経済的に重要な作物の生産と生産性に脅威をもたらす。今のところ、耐塩性育種プログラムは、耐性関連形質に関する遺伝的および生理学的知識が不十分であり、効率的な選択分野がないために制限されてきた。そうした目的のために、トマト品種が持つ塩分に耐える能力を種子形質に基づいて複数の生化学的経路で判断することを目指した。まず、3つのトマト品種を、異なる塩化ナトリウム(NaCl)濃度(0、6.3、9.8、13.0、15.8 dS m-1)への反応に応じてテストし、そして、それらのアミノ酸、有機酸、植物ホルモンを分析した。発芽形質の結果を考慮すると、品種H-2274は他の品種よりも塩ストレスに耐性があったと結論付けることが可能である。結果として、主成分分析を含む多変量判別分析と二元階層クラスタリング分析が構築され、トマト品種はアミノ酸、有機酸、植物ホルモンの含有量によって互いに隔たることが実証された。トマト種子の発芽特性を考慮すると、品種「H‐2274」は高プロリン(29 pmol µl-1)及びクエン酸(568 ng µl-1)アッセイに従うと他よりも塩分により耐性となった。生化学的変動性は、トマトの耐塩性メカニズムを調べるための貴重な手段を提供し、塩水条件に対する耐性の高いトマト品種を見つけることで高く評価されるだろう。さらに、この研究の知見は、農業、特に塩水環境での生産性を向上させ、社会経済的課題に対処する耐塩性トマト品種の開発において、実用化のための大きな可能性を秘めている。
© 2024 the author(s), published by De Gruyter Creative Commons CC-BY license
(https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).
Karakan Faika Yarali , et al.
Open Life Sciences (Web), 2024; 19(1):20220892
DOI:10.1515/biol-2022-0892
Open Life Sciences (Web), 2024; 19(1):20220892
DOI:10.1515/biol-2022-0892