研究情報
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2024.11.29 モルタルを長く守る
水硬性モルタルの塩害を軽減するための長期解決策としてのカプセル化された結晶化抑制剤
Encapsulated crystallisation inhibitor as a long-term solution to mitigate salt damage in hydraulic mortars
モルタル中の塩(NaCl)の風化は、モルタルの調製中に結晶化抑制剤(フェロシアン化ナトリウム)を配合することで軽減できる。ただし、この抑制剤はモルタルから溶出しやすいため、耐用年数が限られている。抑制剤をキトサン-アルギン酸カルシウムカプセルに封入することで、抑制剤の放出が制御され、したがって、その溶出が減少することが実証された。それにもかかわらず、カプセルの添加は、モルタルの特性および/またはその耐塩性に悪影響を与える可能性がある。この研究では、カプセル封入抑制剤と直接混合抑制剤を加えた天然の水硬性石灰(NHL)と市販のセメントベースのモルタルを調製した。モルタルの機械的および物理的特性を実験的に評価した。モルタルの塩害に対する耐久性を評価するために、加速NaCl耐候性試験が行われた。損傷の進展は、視覚的、並びに材料損失、風解、抑制剤の浸出を定量化することによって評価された。試験の最後に、SEMを用いて細孔内の結晶形態を調べた。結果は、カプセル化された形態と混合された形態の両方で抑制剤を添加しても、NHLおよびセメントベースのモルタルの特性にほとんど影響を与えなかったことを示している。抑制剤なしの基準モルタルと比較して、混合した抑制剤とカプセル封入抑制剤の入ったNHLモルタルは、塩害に対する耐久性に優れ、材料の損失はごくわずかであった。カプセルは抑制剤の放出を制御し、浸出を減少させた。基準を含むセメントベースのモルタルでは、損傷は観察されなかった。それでも、この抑制剤は塩の晶癖を修正するのに有効であることが示された。結果は、抑制剤のカプセル化が、その性能を損なうことなくモルタルの耐用年数を改善できることを示している。
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(http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).
https://doi.org/10.1016/j.cemconcomp.2024.105682
Kamat Ameya , et al.
Cement & Concrete Composites,2024; 152
DOI:10.1016/j.cemconcomp.2024.105682

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