研究情報
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2024.12.27 食品添加物を使わず、塩味を上げるには?
酵素によって生成されたグルタミン酸及び分岐鎖アミノ酸による野菜スープの旨味及び塩味の増強
Umami and saltiness enhancements of vegetable soup by enzyme-produced glutamic acid and branched-chain amino acids
Umami and saltiness enhancements of vegetable soup by enzyme-produced glutamic acid and branched-chain amino acids
目的: 酵素は添加物とは見なされないため、食品の酵素加工は、クリーンラベル食品を開発するための魅力的な戦略である。私たちは、クリーンラベルの要件を満たしながら、酵素処理により野菜スープの塩味とうま味の強さを改善することを目指した。まず、プロテアーゼとグルタミナーゼのブレンドの酵素反応条件を最適化し、次にこの酵素ブレンドが野菜スープの味に及ぼす相乗効果を調査した。
結果: 官能評価の結果、反応生成物(タンパク質加水分解物やアミノ酸など)は、0.5%NaClを添加した野菜スープのうま味、コク味、塩味の強度を高められることが示された。特に、NaCl 0.50%、0.45、0.40%の酵素処理スープの塩味強度比は、NaCl 0.50%の対照スープの塩味強度比を1.0とすると、それぞれ1.31倍、1.16倍、0.99倍に増加した。これは、酵素処理により20%の減塩率が達成できることを示している。さらに、酵素によって生成されたグルタミン酸と分岐鎖アミノ酸によって、これらの増強が相乗的に引き起こされることがわかった。
結論: 私たちの知見は、細菌性および真菌性のプロテアーゼとグルタミナーゼの酵素ブレンドを使用することが、クリーンラベルの要件を満たしながら野菜スープの塩分レベルを高めるための効果的なアプローチであることを示唆している。
Copyright © 2024 Sakai, Okada and Yamaguchi. Creative Commons Attribution 4.0 International License
(http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).
https://doi.org/10.3389/fnut.2024.1436113
Sakai Kiyota , et al.
Frontiers in Nutrition (Web), 2024; 11:1436113
doi:10.3389/fnut.2024.1436113
Frontiers in Nutrition (Web), 2024; 11:1436113
doi:10.3389/fnut.2024.1436113